一人旅が好きだ。
この歳で一人で旅行しまくっている人もなかなかいないので、それなりに珍しがられるが。
僕にはむしろ、好んで他人と旅行に行く方が不思議である。
確かに、友達(とか)と行く旅行はすごく楽しい。
道中の色々な感情をシェアできるし、インスタにあげる用のちょっとカッコつけた写真も撮ってもらえる。
SNSガチ勢が大好きな、リア充アピールにも効果的なのだろう。
いや、そもそも、そんな理由など関係なく。
みんな、一人で旅になどいけないだけかもしれないのだ。
行き先を決めて、交通手段や宿泊先などを手配して。
今はみんなスマホを持っているし、そんなことは朝飯前でできるはずなのに。
一人でいると寂しい奴だと思われる、とか周りがみんなグループできている中で一人でいるのは辛い、とか。
どうでもいいことばかり気にして、そうすると旅が楽しめなくなって。
結果的に、「一人で旅をする」という選択肢が人生から消えていく。
人は、誰かと一生添い遂げることなどできない。
親子だろうと、夫婦だろうと、親友だろうと。
必ず、一人で前に進まなきゃいけない場面というのは訪れるのだ。
少し話がそれたので、戻そう。
僕は一人旅でも、ヒッチハイクのような「現地の人々と関われる旅」が好きだ。
ゲーム『ドラゴンクエスト』のように、その場で仲間を増やしていって、旅を進めていく。
ネットやガイドブックには載っていなかったような情報が知れて、一緒にちょっと穴場なスポットに行ってみたり。
そこで仲良くなって、今まで聞いたことがなかったタイプの生き方が知れたりする。
カフェを開業したのに、事情があって辞めてトラックの運転手をしている。
新卒で入った会社を辞めて、好きなジャンルのお店に転職しようか悩んでいる。
普段関わらないタイプの人と話すことはすごく勉強になるし、何より面白い。
そうした日常では触れられないものに触れる経験というのは、自分を見つめ直して考えを整理する上でもすごく重要だと思う。
多くの場合、旅先で会った人たちとは二度と会うことはないのだけれど。
そうした、本当の意味での一期一会をこれからも大切にしていきたい。
まだ見ぬ誰かと、遠い地で頑張っている恩人たちのために。
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