志望校や学部選びをする際、「文学部は就職に不利」などという定説を聞いたことがある人も少なくないでしょう。
私自身、そういった言葉に少なからず影響を受け、受験時は社会科学系の学部を受けました。
今回は、文学部だからといって就職が不利になることはないよ!ということをお伝えしていきたいと思います。
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文学部は就職に不利?
なぜ就職に不利だと言われるのか
なぜ「文学部は就職不利説」が生まれるのかといえば、一番の要因は学部で学ぶ内容にあるでしょう。
そもそも「文学部」と一口に言っても、大学によって心理学や社会学、教育学など社会科学系の学問も専攻に含まれています。
その時点で文学部を一括りにするのはナンセンスだと思います。
ですが、確かに経済系の学部や法律系の学部などに比べると、フランス文学やインド哲学のような専攻は社会に出た時に直接的に役に立ちそうに感じられないかもしれません。
勉強を通じて、頭の使い方を学ぶ
そもそも勉強というのは、(中高のものなども含めて)「頭の使い方」を学ぶことに価値がある、と私は考えています。
社会に出てから微分の計算をする機会なんてない、とか〇〇幕府の何代将軍が誰かなんて覚えても仕方がない、などと言われたりしますが、本当に大切なのは学んだ知識そのものではありません(もちろん直接的に役に立つ知識も数多くありますが)。
その解法や知識をマスターした経験を通じて、より効率のいい計算法や暗記の仕方、モチベーションの保ち方などを学んでいくことに価値があります。
文系の学部レベルで学ぶ内容もまだまだ「研究」というより暗記中心の「勉強」ですので、そういった意味では学ぶ内容そのものよりもそれに向き合うことで得たものの方が有用性は高いでしょう。
好きで学んだ方が身に付く
自分が興味のある分野が経済学であった場合はいいですが、そうではなく惰性で学部を選んでしまった場合勉強するのが苦痛ですし、いやいや学んだ内容というのはあまり定着しません。
イタリア文化に強い興味があって、就職の面接など初対面の人相手にでもその面白さを伝えられる、といった方が強みになるはずです。
ある分野で学んだことは他分野にも転用できる
20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義の著者であるティナ・シーリグさんは、神経科学で博士号を取得後、コンサルティング会社の面接を受けたそうです。
その際、今まで経営コンサルタントになろうと思ったことはなかったそうですが、「脳の研究と経営コンサルティングがいかに似ているか」を熱弁し、無事採用されたといいます。
このような事例は他の分野でも起こると思っていて、例えば日本中世史を研究していて得た知見が、過去の株式市場のデータを読み解いて先の展望を予想する上で役立つかもしれません。
過去に得た知識がそれと関連性のなさそうなところで役に立ったという経験が、皆さんにもありませんか?
そもそも学部フィルターなんてなさげ
学歴フィルターは場所によってあるのかもしれませんが、学部によるフィルター、というのはおそらくないでしょう。
○学部だったからES通らなかった、なんて話は聞いたことがありませんし、そもそも学歴フィルターの目的も大学名でふるいにかけることによって相対的に優秀な学生が多い集団を選り分けることだと思うので。
自分のやりたいことを学ぼう
経済に興味がなくて数学が苦手な人が経済学部に行ったら悲惨ですし、法律に興味がなくて論述や暗記中心のテスト一発勝負が苦手な人が法学部に行ったら苦労するでしょう。
就職に有利どうこうではなく、自分が興味ある学問分野を学んだ方が辛いことも乗り切れますし大学生活も楽しめると思います。
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